オオミジンコを「たくさん増やしたい」と挑戦してみても、思うように増えず、気づけば全滅してしまった経験はありませんか?
メダカや熱帯魚、エビの稚魚育成に欠かせない生餌として人気のオオミジンコですが、安定した培養にはちょっとしたコツが必要です。
クロレラ水を使う方法は成功率が高い反面コストがかかり、グリーンウォーターを使う方法は安価ですが安定性に欠けます。さらに、失敗の原因には「エサのやりすぎ」「水質の急変」「高温リスク」が共通しています。ここを回避できれば、初心者でも安定した爆殖が可能です。
この記事では、オオミジンコの基礎知識から培養方法、耐久卵の活用法、そしてよくある失敗とその対策までを徹底解説します。自宅でオオミジンコを効率よく増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。
オオミジンコとは?基礎知識と飼育のメリット
オオミジンコ(学名:Daphnia magna)は、淡水に生息する大型のミジンコです。体長は2〜5mmほどあり、肉眼でも容易に観察できます。稚魚にとって捕食しやすく、消化吸収も良いため、理想的な生餌とされています。
主な特徴
- 成長が早く、条件が整えば爆発的に増殖する
- 環境変化に敏感で、急に全滅することもある
- 普段は単為生殖(メスだけで繁殖)で効率的に増える
- 環境が悪化すると「耐久卵」を産み、世代をつなぐ
この「耐久卵」を理解し活用することが、長期的な維持には欠かせません。
オオミジンコ培養・繁殖に必要な4条件
1. 水質
- 好むのは弱アルカリ性(pH7〜8)
- アンモニアや亜硝酸塩に非常に弱い
- 過密飼育やエサの与えすぎは厳禁
- 頻繁な水換えは逆効果。基本は「足し水」や「薄める」対応で十分
2. 水温
- 繁殖適温は20〜25℃
- 夏場に30℃を超えると酸欠・全滅のリスク大
- 冬は活動が鈍く、爆殖は難しい
- 対策:遮光ネット、水槽用ファン、室内管理で調整
3. 酸素
- 酸素不足は即全滅につながる
- 25℃以下では弱めのエアレーションで水面を揺らす程度が最適
- 夏場など高温時は強めにして酸欠を防ぐ
4. エサ
オオミジンコ繁殖の最大のカギ。代表的なのは以下の2種類です。
- クロレラ水
栄養価が高く安定性も抜群。ただしにおいが強く、冷蔵保存やコスト面が課題。 - グリーンウォーター
安価で作りやすく初心者向け。ただし天候や季節によって安定性が低い。
クロレラ水での培養方法
「確実に増やしたい」「早く爆殖させたい」という方におすすめです。
手順
- 容器にカルキ抜きした水を入れる
- オオミジンコを投入
- クロレラ水を薄めに添加
- 常に「薄い緑色」になるよう、数日ごとに追加
ポイント
- 水の色が濃すぎると酸欠を起こす
- 常に「薄い緑」を維持するのが理想
- クロレラ水は冷蔵保存し、小分けで使用する
メリット・デメリット
- メリット:爆殖スピードが圧倒的に早い
- デメリット:におい・冷蔵保存・コスト高
グリーンウォーターでの培養方法
「コストを抑えたい」「自然派の飼育をしたい」という方に向いています。
作り方
- バケツや水槽にカルキ抜きした水を張る
- 日当たりの良い場所に置く
- 魚の飼育水や少量の肥料を加える
- 1週間ほどで緑色の水が完成 → オオミジンコを投入
- (2回目以降)グリーンウォーター1:水7:オオミジンコが爆殖透明になった飼育水2 の割合でセット
維持方法
- 水が透明になったら「次のグリーンウォーター」に種親を移す
- 常に複数の容器でリレー培養すると安定性が増す
注意点
- 天候によって培養速度が変わるため不安定
- 水の色が濃すぎると酸欠リスク
卵(耐久卵)の重要性と活用法

オオミジンコは環境が悪化すると「耐久卵」を産みます。
特徴
- 硬い殻に覆われ、乾燥や低温にも強い
- 光と酸素、20℃前後の水温で孵化
- 数日かけて少しずつ孵化
活用法
- 冬季や全滅時の再スタートに利用できる
- 保存しておけば翌シーズンの培養も可能
耐久卵を確保しておけば「予備」があるため、安心して挑戦できます。
オオミジンコ培養でよくある失敗と対策
- エサの与えすぎで水が腐る
→ 常に「薄い緑」を維持。濃くなったら水を薄める - エアレーションが強すぎる
→ 水面が軽く揺れる程度が最適 - 真夏の高温で全滅
→ 遮光ネット・ファン・室内管理で温度上昇を防ぐ - 水換えのしすぎ
→ 環境変化で弱るため、基本は足し水で対応
まとめ
オオミジンコを安定して培養・繁殖させるには、
- 水質・水温・酸素・エサ の4条件を整える
- クロレラ水=爆殖スピード重視
- グリーンウォーター=低コスト・自然派
- 耐久卵=長期維持の保険
この3つを上手に組み合わせるのが成功のカギです。
「増えない」「すぐ死んでしまう」と悩んでいた方も、基本を押さえればオオミジンコは驚くほど安定して増やせます。生餌を自家製で切らさず供給できれば、メダカや熱帯魚の稚魚育成が格段に楽になりますよ。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、飼育・培養に関する判断はすべて自己責任でお願いいたします。